20年以上前に吐いた経験がフラッシュバックする。検討できる治療法は?
フラッシュバックするのは、2歳のときの家族での外食の場面です。元々少食かつ偏食だったのですが、この日は出てきた食事が好みの味で、珍しく完食しました。しかし、食後のデザートは品名を聞いて「嫌いな食材が入っている」と察して手をつけませんでした。
家族のうち両親2人は、自身がその食材が嫌いだということを知っていたので食べさせようとはしませんでしたが、2人が席を立っている間に、私の食の好みを知らない(同居していない)祖母が「デザートも食べようね」と言ってスプーンに取り、私の口まで運んできました。
自身は元々初語が遅かったのと、同居していない人に対しては家族であっても人見知りをしていた(未だにその傾向がある)ので、「嫌いだけど伝え方がわからない」「距離感が近くない人の前でワガママは言えない」と思い、無理して口に入れてしまいました。
そこで突発的に全て戻してしまい、自身は声を上げて大泣きしました。テーブルの面の8〜9割が汚れてしまったのを、慌てて祖母が拭き、座席に戻ってきた両親は呆然とした直後、父は店員さんに謝りに行き、母は私を抱えて洗面台に行って汚れた服ごと洗いました。
そのときに鏡に映っていた自身の泣き顔と声は強烈に記憶に残っています。
その数年後に祖母は他界しており、レストランも閉店しているのですが、今では家族で集まると「笑い話」「思い出話」として語られることがあります。
もちろん20年以上前の話ですし、未だにフラッシュバックするなど考えられないとは思うので仕方がないのですが、複雑な思いです。
話題になるたびに「あのときはすごく苦しい思いをしたし、今でも思い出すことがあるから、あまり話さないでほしい」と伝えるのですが、両親はあまり細かいことを気にしない性格なので、数ヶ月後には忘れてまた同じ話をしてきます。時には「亡くなった人のことを悪く言うなんてひどいね」「数少ない思い出がそんな印象だなんて、おばあちゃんが悲しんで泣いてるよ」などと、私が祖母のことを責めているかのような返答をされることもあります。
そもそも今回の事例は、孫の食の好みを知らなかった祖母が悪いのではないと思います。どちらかといえば、こんなにデリケートな感覚を持った2歳児のほうが珍しいので、大人が困惑していたのも納得できるのですが、それが両親には伝わらないようです。
社会人になった今は、会食イベントへの参加や、店員さんとの会話を楽しむ飲食店への訪問をしたいと思う一方で、食事前になると不安からくる腹痛や吐き気を覚えてしまいます。
「出てきた料理が苦手な味付けだったら吐いてしまうかもしれない」「思ったより量が多かったりサービスされたりして、満腹で気持ち悪くなったらどうしよう」などと考え、余計に具合が悪くなるループの状態です。
あまり良くないとは分かっているのですが、会食序盤にハイペースでお酒を飲んで体の感覚を鈍らせたり、「お酒が好きだから食べ物は要りません」と断ったりしています。
実はこのような症状は、小〜中学生のときが1番酷く、自宅で出される食事をひと口も食べられず、頻繁に風邪をひいたり、免疫が弱い人特有の病気になったりしていたのですが、この時は、食事に対して不安になる原因がわかっていませんでした。
ただし成人後に偶然、当時のレストランの跡地近くが通院先となり、近くの道を繰り返し通るうちに、「もしかしてあの時の経験が食事のときの不安に影響し続けていたのかもしれない」と気づきました。
それ以来、食事のタイミングに関係なく当時のことがフラッシュバックするようになり、「誰かが突然吐くかもしれない」と考えて満員電車に乗れないなど、食事への不安とは関係のない場面まで脳内で結びつけるようになってしまっています。
このように、幼少期の経験が大人になっても強い不安に影響している場合、治療の選択肢としてはどういった方法が検討できるでしょうか。
目標は、初対面の人とのお酒なしの会食を楽にできるようになり、新しい友人を作ることです。
よろしくお願いいたします
※最近、「会食恐怖症」という言葉を知って複数の当事者の会に何度か参加するなどの行動もしているのですが、他の参加者の方よりも自分の症状が軽いことが多く、あまり馴染めていません。むしろ「原因がわかっているし、寛解に近いのではないか」「不安を感じつつも食事の予約を断っているわけではないのだから大丈夫ですよ」などと言われて孤立してしまいました。
一方で、1番よく食事に行く友人からは「SNSでよく見る会食恐怖症って、ただ不安ってだけで精神科に通ったりして恵まれてるよね。大人なんだから、自分のご機嫌は自分で取らなくちゃいけないのに」といった発言を聞き、症状のカミングアウトができなくなりました。周囲の人への症状の伝え方などもアドバイスをいただけると嬉しいです。