かなたやさんは、新卒で福祉の仕事を始めて2年目になります。 職場の雰囲気は良く、優しい人が多いのですが、わからないことがあっても相談できない自分が嫌で、疲れています。仕事では利用者に余裕をもって接することが出来ず、家に帰っても何もやる気が起きず、無気力な状態となっています。 そんな自分をダメだと思い、退職も考えています。

「人に頼る」ことがどうして難しいことなのでしょうか？ 考えられることとしては ・人に頼る＝自分の能力や努力が足りていない ・人に頼る＝甘えであり、これになれると人に対して依存的になる、自分で何もできなくなる ・人に頼る＝頼った人に迷惑をかける、頼った人からネガティブな印象を持たれる といった理由からでしょうか？ 人それぞれ理由はありますが、かなたやさんの場合はどういった理由からだと思われますか？ それではもしも、わからないことを相談できたとしたら、かなたやさんはどうなるでしょうか？仕事、プライベートの過ごし方はどのように変わると思いますか？

仕事など自分のやるべきことに対して頑張る人は、頑張りすぎて人に頼れなくなることが多いように感じます。その結果、自分が追い込まれて燃え尽きてしまう方もいます。 追い込まれるときは、やはり人に頼れない、相談できないといったことから、自分一人で悩みを抱え込んでいます。 まずはどうして自分が頼ることに抵抗を感じているのか、その根っこの部分にある自分自身に対する信念（スキーマ）を探してみてはいかがでしょうか？「人に迷惑をかけてはいけない」「人に弱みを見せてはいけない」「人に頼ろうとするなんて自分はだめな人間だ」といった信念があるのかもしれません。 もしも、信念が分かったら、その信念が本当なのか？その信念に反すること（ここでは人に頼ること）をしたら、どうなるのかを検討します。こうすると、大体の人が「大げさに考えていたかもしれない」「悪いことが起こるかどうかわからない」と感じます。また、実際に自分にできそうな範囲で人に頼ってみて、どうなるのかを試してみます。やってみると、思ったよりもできることがあり、そこから自信につながります。 ただかなたやさんは現在、家では無気力状態になったり、「辞めたら楽になるのかな？」と考えたりしています。利用者への対応にも余裕のなさを感じています。これは、心身が消耗していると考えられるため、場合によっては休養が必要なのかもしれません。そうであれば、今の状態について職場の方や上司に報告・相談をされる必要があります。まずは、ここから始めてみるのも一つの方法かもしれません。

カウンセリングでは、先ほど取り上げた信念（スキーマ）を整理し、スキーマがもとになって苦しんでいること、阻害されていることなどを振り返り、スキーマに振り回されることなくすごせるようにカウンセラーとともに検討し、振り返っていきます。 かなたやさんがご興味があれば、せひカウンセリングのご利用をお勧めします。 ご自身をこれ以上追い詰めることがありませんよう、かなたやさんのお力になれましたら、幸いです。