お話の詳細
メンタルヘルス
コーヒー豆_レベル._アイコン.リーヌンヌ
2ヶ月前
フラッシュバック?
先日、夫が運転する車が右折時に、直進の車と自動車事故を起こしてしまいました。その時私は助手席に乗っていて、直進の車が私が座っていた助手席の扉側に衝突しました。 幸い、被害者側の方たちも私たちにも怪我はなく、車同士が衝突したので、向こうの車も破損してしまいましたが… 夫の確認不足で起こしてしまった事故とはいえ、両者とも怪我もなく無事で良かったと思います。 私は加害者側なのでこんなことを思うべきではないのかもしれませんが、事故の瞬間が頭から離れません。車が右折した時のスピード感と直進してくる車のブレーキ音、車同士がぶつかった音やその時の感覚、事故時の瞬間だけがずっと頭の中でリピート再生されていて、とてもつらいです。 その時の光景がリピートされるからか、発表前とかでとても緊張した時みたいな吐き気があり、涙が出てしまいます。 これはフラッシュバックなのでしょうか? トラウマになってしまっているのでしょうか?何か少しでも気持ちを和らげることはできますでしょうか?
不安パニックストレス
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専門家プロフィール
滝 真樹子 さんの専門回答
2ヶ月前
交通事故後のフラッシュバックについて
#トラウマ #不安 #ストレス
リーヌンヌさん、こんにちは。臨床心理士・公認心理師の滝と申します。自動車事故に遭われたとのことですが、お怪我がなくて本当に良かったです。フラッシュバックに関するご質問がありましたので、分かる範囲でお答えさせて頂きたいと思います。
[今回の悩み]
先日、自動車による追突事故を経験して以降、その時の光景や音・感覚等が頭から離れないというリーヌンヌさん。当時の光景が蘇ってくるためか、発表前などにも吐き気が出て涙が出てきてしまったりと、様々な症状に悩まされているようです。これはフラッシュバックやトラウマといったものなのか、気持ちを和らげることはできるのだろうかという疑問を投稿してくださいました。
[悩みの原因・分析]
事故の状況を詳細に書いてくださいましたが、説明を読んでその光景を思い浮かべただけでも恐怖を感じる位、怖い場面です。右折しようとして直進車とぶつかるということは、助手席に一番衝撃が来ますものね。実際にその状況を体験したリーヌンヌさんはどれほど怖い思いをされ、そしてその後も不安感に苦しんでいるだろうと思うと、胸が痛みます。通常、命を脅かされるような体験や大きなストレス場面に遭遇した後、一か月以上しても不安感やフラッシュバック症状が消えない場合は、PTSDと診断されることが多いです。リーヌンヌさんの今の症状は十分にフラッシュバックやトラウマによるものと考えられますので、長く続く場合にはPTSDと捉えても良いように思います。
[やってみましょう!]
まずは大きな体のお怪我がなかったとのこと、本当に良かったです。お相手側にも怪我人はいらっしゃらなかったとのことですので、その点については本当に良かったですね。身体的に特に負傷がなかったとしても、大きな事故の後は疲れや不安感が出やすい時期です。どうぞご無理をせず、休み休み過ごしてほしいと思います。 トラウマ症状は、事故や災害等の命に脅威を感じるような出来事や、大きなストレスを経験した後に起こります。今リーヌンヌさんが感じている様々な症状も事故後に出現しているようでしたらおそらく、トラウマ症状だと考えられます。今後も長く続くようでしたら、専門機関での相談が必要かもしれません。今回の場合は自責事故になる訳ですが、任意加入の保険の種類によっては、PTSD等の精神症状についてもそれが事故と関連すると立証できれば治療費等を請求できる場合もあります。ただし精神科系の症状ですとそれが直接的に事故に原因があると証明するのが難しく、専門的な知見が必要となってきます。もし保険に加入している場合には、一度問い合わせてみても良いかもしれません。今回の場合、リーヌンヌさんは厳密に言うと加害車両の同乗者という立場になります。その場合には運転手の方の自賠責保険に治療費の請求ができる可能性もありますので、必要があればそちらも問い合わせてみてください。 PTSD治療の流れとしては選ぶ病院やクリニックによっても様々ですが、行動療法等のカウンセリングと、不安が強い場合には投薬治療を並行して行う場合が多いです。PTSDの行動療法では暴露療法(エクスポージャー法)と言って、段階的に不安を感じる場面にあえて直面することで、少しずつ慣らしていくという方法があります。まずは恐怖・不安を感じる場面を不安階層表に数値で表してみて、不安感が一番低いものから徐々に時間をかけて挑戦していくというものです。今、リーヌンヌさんにとっては車に乗ったり、事故現場に行ったりすることはとてもハードルが高いと思います。発表前の緊張場面でも吐き気や涙が出てしまうとのことですので、まずは発表する部屋に入る、人前に立つといった状況から少しずつ慣れていくのが良いかと思います。持っていると安心できるようなお守りを手に握っておく、その場に立って一旦深呼吸して呼吸を整える、その場に立って何も起こらないことを体で実感する、といったことを試してみながら、少しずつ不安場面に慣れていけると良いのではないでしょうか。そしてやはり、動悸や吐き気がどうしても辛くて日常生活に支障が出るようでしたら、受診も検討した方が良いかもしれません。
加害者側だからこんな風に思うべきではない、という表現から、リーヌンヌさんはとても責任感が強く真面目な性格の方という印象を受けました。ですが事故を起こした車が加害者側だったとしても、同乗者のリーヌンヌさんは事故の被害者とも言える訳です。責任感の強いリーヌンヌさんはその性格上、こんな風に感じるのはいけないのではないかという思いもあるかもしれませんが、これほど怖い思いをした後にトラウマ症状が出現するのは、自然なことです。どうぞご自分を労わり、心身の回復を最優先にして過ごしてほしいと願わずにはいられません。そのためにカウンセリングでお手伝いできることがあれば、是非お声がけくださいませ。リーヌンヌさんが心穏やかな日々を過ごせる時が来ますように、お祈りしております。