幼少期から複雑な家庭環境の下で育ち、ご両親は自殺されているというヒロシひろこさん。現在は15歳の頃から共に人生を歩んでこられたご主人と一緒に、3人の男の子の母親として生活をされていらっしゃるのですね。今まで様々な困難な状況がありながらも、ご自分なりの方法でなんとか心を立て直し、目標を立てて前向きに生きてこられたとのこと。ところが今年夏に心が壊れて自殺未遂をして以降、毎日死にたいと思うようになったようです。心に葛藤を抱え、どうしたら苦しみから抜け出せるのだろうか？という疑問を投稿してくださいました。

今まで壁に直面した際には、関連する本を読んだりしてなんとか心を立て直してこられたのですね。過酷な環境の中で育ち、そのご苦労は並大抵のものではなかったのではないかと想像できます。ここまでよくぞ生き抜いてきてくださいました。長い間気持ちを張り詰めてなんとか頑張ってきた心の糸がぷつんと切れてしまった時、今まで抑えていた負の感情が一気に溢れ出し、自分には価値がないというような絶望的な気持ちになるのも自然なことです。心の在り方を変え、どのように苦しみから抜け出せるのかと考えるヒロシひろこさんに、コメントを通じて何かヒントになるようなことがあれば幸いです。

今回の投稿に、何人もの方が「専門家におすすめ」をしてくださいました。たくさんの方が投稿を読んでヒロシひろこさんを応援してくださっていますし、ここには家庭環境やご自分の性格で悩んでいらっしゃる方も多いですので、似たような悩みを抱えた方にとっては投稿自体が励みになることもあるはずです。辛いご経験をたくさん乗り越えてこられたヒロシひろこさんだからこそ、弱い立場の人の気持ちが分かったり、寄り添ったりする力があるかもしれません。自分自身の力で様々な場面を乗り切ってきたというそのご経験自体にまず大きな価値があると思いますし、そんなご自身の頑張りをたくさん褒めてあげてほしいです。 今年ヒットした本の影響で、「自分の付加価値」という言葉が話題になりました。SNS等の影響で様々な情報が溢れ、個の力や自分らしさが求められる時代の中、自分の隠れた能力・強みや付加価値といったものについて考える人が増えているそうです。今の自分には価値がない、このままではいけないと感じた時に、自分を深堀りしてみて、付加価値となり得るタネを探してみると前向きな気持ちになれるかもしれません。 付加価値を探すには、自分への問いを立てて隠れた強みを探ってみるのですが、この時に「自分はどうしてダメなのか？」といったネガティブな問いを立ててしまうとどうしても悪い方向に考えてしまいますので、なるべくポジティブな問いにします。「自分はどうしたら良いのか？」「自分の良さは何だろう」という問いを立てて、付加価値になりそうなタネを発見していきます。そして今度はそれを磨いていくことに行動目標を立ててみると、より前向きに自分の強みを考えていくことができます。 自分にとっては当たり前でも、人から見たら当たり前ではなく価値のあることという可能性もあります。また、強みや自分らしさというのは決して唯一無二、オンリーワンでないといけないという訳でもありません。抜きん出た才能を持った人というのはごく一部だし、似たような価値観やバックグラウンドを持った人はたくさんいるのが普通です。何かちょっとでも自分の良さみたいなものを自分で見つけてあげて、磨いていけたら素敵ですね。 また、決めたことを継続できないという言及もありましたが、いくつもの困難な場面に遭遇しながらも前向きに生きようと目標を立て、継続できるかどうかはさておきやるべきことを決めてきたという行動力自体はとても素晴らしいです。目標というのは状況によって日々修正し、再構築していくものです。お子さんが3人もいて日々忙しい生活の中では、決めた計画通りに進むことの方が難しいです。行動しようと目標を立ててきたその意志自体を認めてあげて、途中途中で中断することはあっても長い目で見てゆるく継続できていたら良し、くらいの気持ちでいても良いかもしれません。

今年の夏に心が壊れてしまったとのことですが、何かきっかけとなるような大きな出来事があったのでしょうか。もし良かったら、そういった心の葛藤や痛みを誰かに打ち明け、自分自身について振り返ってみるという経験も役に立つかもしれません。人は抱えているものを誰かに話すことで、心の重荷を少し降ろすことができます。「話す」は「放す」に繋がります。これ以上一人で抱えることのないように、ご自分の心のケアも大切にしてあげてくださいね。 ヒロシひろこさんが深い苦しみから抜け出す一歩を、少しずつでも歩んでいくことができますように、願っています。どうぞご自愛くださいませ。