恋愛にあまり興味がなく、性的指向についてもあまり意識せずに過ごしてこられたというオイスターさん。ですが最近、魅力を感じたりどきどきするのは女性に対してということを確信されたのですね。家族や友人など身近な人に打ち明けるのが怖く、かといってこのまま黙っているのも嫌なので、どうしたら良いだろうという気持ちを投稿してくださいました。

著名人が自分の性的指向を公表したり、性的多様性を象徴するレインボーカラーが普及したりと、様々な場面で性的マイノリティに関する理解は広まりつつあります。ですが、Ｇ７の中では唯一同性婚が許されていない日本では、制度や意識といった面で先進国の中でもかなり遅れていると言わざるを得ません。そのような状況の中で、マイノリティであることを周囲に打ち明けるというのはとても勇気がいるし、怖いことですよね。デリケートで難しい問題ではありますが、コメントを通じて何か少しでもヒントになるようなことがあれば幸いです。

自分のとてもプライベートで大切な部分である性的指向について、周囲に打ち明けるのがまだ怖いという気持ちが強いようであれば、無理して伝える必要はありません。もう少し自分の性自認がはっきりしてきたり、実際にパートナーができてから身近な人に伝えるというのでも良いかと思います。でも、ずっと隠し続けるのも辛いと感じるのは自然なことです。人は身近な人に受け入れられることでより自己肯定感が上がり、前向きに人生を捉えられるようになります。 周囲の反応が怖いようであれば、まずはそれに関連する人や映画などの話題をそれとなく振ってみて、相手のスタンスを伺ってみるというのも一つの方法です。性的マイノリティや同性愛をテーマにした素敵な作品はたくさんありますので、話題に出してみたり、感想を聞いてみたりして相手の考えを一旦探ってみます。結果的にやはりまだ自分のことを話すのが怖いということであれば、今は無理をする必要はありません。普段仲良くしていて同じようなグループに属している人でも、案外人によって価値観に差が生じることもあります。この人になら、という人が見つかると良いですね。 また、人は相手から単に結果や事実を伝えられるよりも、相談という形で持ちかけられる方が受け入れるハードルが下がりやすくなります。女性を好きというのを最近確信したということであれば、まだ自分の性自認がはっきりしてしない段階かもしれません。意見が聞きたいんだけど、周囲への伝え方について一緒に考えて欲しいんだけど、という風に相談する形での話の方が、相手にとって受け入れやすくなる可能性があります。「相手の問題」として伝えられるよりも、「自分の問題」として巻き込まれると、より真剣に考えてくれることもあります。話の持っていき方の参考にしてみてくださいね。 一人でぐるぐると考えていると、ついネガティブな方向に考えが向いてしまったり、堂々巡りで答えが出なかったりします。同じような悩みを持った人のコミュニティに参加してみて、意見を聞いてみるというのも良いかもしれません。今はたくさんの場所でそういったコミュニティがあり、気軽に参加できる所も多いですので、参加しやすそうなものを探して顔を出してみるというのも良いのではないでしょうか。

カウンセリングでも、そういった自分自身の性自認や周囲への伝え方について相談をすることができます。日本社会では、やはりマイノリティだと感じると日々辛い思いをしたり偏見を受けたりすることも多く何かとストレスを抱えやすいかと思います。家族でも友人でもない、普段接することのない相手だからこそ話せることというのもあるかもしれません。よろしければカウンセリングの利用も検討してみてくださいね。 オイスターさんの心の負担が減り、自分らしく前を向いて歩んでいくことができますように、応援しています。