生きていたくない。
「じゃあ死ねば?」
ドヤ顔でそう言い放つ人間は心底思慮が浅いのだと思う。頭のいい友人がそういったのを聞いて、思わずまじまじと顔を見つめてしまったのを思い出した。
生きることと死ぬこと。紙一重のように思われるがその間にはグラデーションがある。そのどちらにも正面から向き合うことのない人限は意外と多いのだろうか。生きていたくない、と死にたい、は別物だ。生きていたくない、は生の否定、つまり今いる立ち位置から現在ないし過去を振り返りながら言う言葉だ。ここでの未来は想像にすぎない。過去を振り返り、これから先のろくでもない未来をチラ見して目をそらし、悲観して言う言葉。
一方死にたいは、ただ自分の足元を見て言う言葉だ。未来でも過去でもない、あと一歩動けばガラガラと崩れて谷底へ落ちていく、そんな瞬間的な言葉。
他にも生と死の間のグラデーションに立つ言葉はある。それらの状態を一括してまとめて死に差し向かわせようとする者は、本当に何を見て何を考えて生きてるんだろう?そんなふうに何も考えないことは、生の肯定だとも思えない。動物はそれでも良いだろう。でも人間はもっと考えるべきじゃないか?
まあでも考えない人間がこの世の大多数なんだろうな。今日まで連綿と命を繋いできた過去の人間もそうなのかもしれない。そんな愚かな歴史を私たちは生かされているのかもしれない。