ふゆのひさんは、アルバイト先で始業時間ギリギリに出勤したことをきっかけに店長から厳しい注意を受け、精神的なショックから早退を申し出たところ、さらに「忙しいのに」「お客さんの前でみっともない」といった追い詰めるような言葉を投げかけらました。その出来事で自信を失い、休職を申し出たところ、今度はご家族からも「クビになるよ」などと心ない言葉を言われ、人間不信に陥り、未来を考えることさえ辛くなってしまっているご様子です。

まず、心の真ん中に置いていただきたい、最も重要なことをお伝えします。 「自分を守るということがそんなに悪いことでしょうか」…いいえ、全く悪くありません。壊れてしまった心と体の責任は、誰も取ってはくれません。自分を守ることは、何よりも優先されるべき、あなたの正当な権利であり、賢明な判断です。 その上で、今回の問題を整理しましょう。 ・店長の言動について： あなたの心を深く傷つけた店長の言動は、「注意」や「指導」の範囲を明らかに逸脱した、精神的に相手を追い詰めるパワーハラスメント（パワハラ）です。「悪気はなかった」「頼りにしている」という派遣会社からの伝言は、何の意味も持ちません。あなたの心を深く傷つけたという事実は、決して許されるものではないのです。 ・職場環境について： 始業時間前の準備は本来、労働者の善意によるものです。それを強要したり、始業時間ちょうどでの出勤を過度に叱責したりするのは、その職場が慢性的な人手不足（マンパワー不足）で、個々の従業員に過剰な心身の負担を強いている、不健全な環境であることの証です。 ・ご家族の言動について： ご家族は、あなたの心の痛みそのものではなく、「仕事を休む」という表面的な事実だけを見て、世間体を心配するあまり、結果的にあなたを追い詰める言葉をかけてしまっています。あなたの辛さに寄り添えていない、非常に悲しい状況です。

未来のことを考えるのが辛いのは、今、心が傷つき、エネルギーが完全に枯渇しているからです。今は無理に未来を考える必要はありません。あなたの今の仕事は、ただ一つ。「ご自身の心と体を、安全な場所に避難させ、回復させること」です。 1. 「休む」という決断を、自分で肯定する 明日、職場を休むと決断されたこと。それは、自分を守るための非常に勇気ある、正しい行動です。誰に何と言われようと、まずは、その決断をしたご自身を「よくやった」と褒めてあげてください。 2. その職場から「離れる」ことを、最優先で検討する あなたは大学生であり、その職場があなたの人生の全てではありません。 ・派遣会社に、職場環境の問題を毅然と伝える： 派遣会社の担当者には、「店長の言動は『悪気がない』レベルではなく、パワハラにあたるものであり、心身に不調をきたして、現在の職場で就労を継続することは困難である」と、冷静に、しかしはっきりと伝えましょう。派遣会社には、労働者の安全を守る「安全配慮義務」があります。職場環境の改善を求めるか、別の派遣先を紹介してもらうよう、要求する権利があなたにはあります。 ・「辞める」は逃げではない： これは「理不尽な社会の側面を学ぶ、高い授業料の社会勉強になった」と割り切り、心身の健康を脅かすような職場からは、きっぱりと離れることを強くお勧めします。それは「逃げ」ではなく、自分を守るための賢明な「戦略的撤退」です。 3. 「相談相手」を、安全な場所だけに絞る 今、身近な人（職場、家族）が、安全な相談相手ではないことが明らかになりました。人間不信になるお気持ちはよく分かります。しかし、あなたの味方になってくれる場所は、必ずあります。 ・大学のカウンセリングを、避難場所として最大限活用する： すでにカウンセリングを受けていらっしゃるとのこと、本当に素晴らしいです。ぜひ次のカウンセリングでは、今回の職場での出来事と、その後のご家族とのやり取りを、具体的に全て話してみてください。専門家であるカウンセラーは、あなたの気持ちを否定せず、どうすれば心を守れるかを一緒に考えてくれる、今のあなたにとって最も安全な味方です。

今は、ゆっくりと心を休めることだけを考えてください。辛い時は、カウンセラーを頼り、あなたの気持ちを全て吐き出してください。エネルギーが少し回復すれば、また未来のことを考えられる日は必ず来ます。どうか、ご自身の心を守ることを、何よりも大切にしてください。