誰かにケガをさせてしまっていないかいつも心配で、周りに確認したり、ニュースをチェックしたりすることを繰り返して疲弊感があるというしんすけさん。きっかけとしては以前お酒を飲んでいた時に記憶をなくしていたことがあり、その時に誰かを傷つけてしまったのでは、事件になったのではと不安を感じるようになったのですね。不安でいっぱいな気持ちを投稿してくださいました。

加害恐怖や強迫性障害というタグをつけてくださっていますので、ご自分でもそういった症状にあてはまると感じていらっしゃるということでしょうか。確かに投稿の内容を見ると、何回確認しても不安感が消えず、繰り返し確認してしまうという儀式的行為は強迫性障害の症状の一つとも考えられます。そういった症状と付き合っていくには、どのようにしたら良いでしょうか。一緒に考えてみましょう。

強迫性障害の症状でよく知られているのが、汚れているのではと気になって何度も手を洗ってしまったり、身近な物の消毒を繰り返してしまったりする不潔恐怖。コロナの時にはこういった症状で家族関係が悪化する方が、たくさん報告されました。また、カギを閉め忘れたのではないか、ガスの元栓を閉め忘れたのではないかと不安になって何度も見に帰ってしまう確認強迫という行為も有名ですね。こういった行為は自分では不合理だと分かっていながらもどうしてもやめられず、日常生活に支障をきたしてしまいます。 今回の投稿にあったような、知らない間に誰かに危害を加えてしまったのではないかという加害恐怖も、強迫性障害でよくある症状の一つです。友達にも確認して実際にはそんなことは起こっていないと分かっていながらも、何度も確認を繰り返してしまう。そんな不安な毎日は、とてもしんどいだろうと想像できます。強迫性障害の症状は、今までは大したことなかったのにストレスや負荷がかかる状況になってより強く出てしまうということもあります。もしかしたらしんすけさんも最近、何か大きなストレスを感じることがあったのかもしれません。もしそうだとしたら、日常生活でのストレス環境を少しでも整理してなるべく心身に負荷のかからないような生活を心がけることも、症状の軽減に役に立つかと思います。 確認行為によって日常生活に影響があり、疲弊感があまりにも募るようでしたら、治療の対象となります。記憶がなくなる程の飲酒をしてしまうというのも、背景に何かストレスがあるのかもしれません。そういったことも合わせて、精神科・心療内科等で相談してみるというのも選択肢の一つです。ご自身の健康的な生活のために、医療機関での相談も検討してみてくださいね。

強迫性障害のカウンセリングでは、認知行動療法と言って強迫行為に直接アプローチする方法が中心となってくるかと思います。また、日常生活でストレスを抱えていることがあるようであれば、そういったストレスについても言語化し、頭を整理することで心の重荷を降ろすことができます。なかなか一度でぱっと改善するようなものではないですが、カウンセリングで自分の問題と向き合うことが、強迫性障害の症状軽減に繋がるかと思います。もし機会がありましたら、カウンセリングの利用も是非検討してみてくださいね。 しんすけさんの不安が少しでも減り、心穏やかな毎日が送れるようになることを願っています。