sian7856さんは、X（旧Twitter）の「おすすめ」欄に表示される攻撃的な内容や、過去に嫌な思いをしたコミュニティの情報から距離を置きたいと感じています。しかし、現実逃避の手段としてつい見てしまう自分もいて、一方で、恋人や友人との繋がりは保ちたいという気持ちから、完全にSNSを断ち切ることもできず、どうすれば良いか分からなくなっているご様子です。

まず、sian7856さんが感じているSNS疲れの原因は、ご自身の意志の弱さなどではなく、プラットフォームの仕組みそのものにあることを理解することが重要です。 現在のXは、運営側も認めるように「対戦型SNS」の側面を強めています。過激な意見や対立を煽る内容は、人々の注目（インプレッション）を集めやすく、それがプラットフォームの収益に繋がります。そのため、アルゴリズムが意図的にそうした刺激の強いコンテンツを「おすすめ」に表示させる傾向があるのです。つまり、あなたが疲れてしまうのは、そうなるように設計されたシステムの中にいるからであり、ある意味で当然のことなのです。 そして、ご自身でも分析されている通り、やらなければいけない辛い現実からの「手軽な現実逃避」として、SNSを利用している側面も大きいでしょう。しかし、その逃避先が、心を休めるどころか、新たなストレスを生み出す場所になってしまっている。この悪循環が、あなたの無力感や疲労感を増幅させているのです。

「完全に断つ」か「我慢して続ける」かの二択ではありません。SNSとの「付き合い方」を再設計し、あなたが主導権を取り戻すための具体的な方法を試してみましょう。 1. 「戦場」から、目的に合った「村」へ移住・併用する 今のXがあなたにとって「戦場」なら、心の平穏を得られる「村」を探す、あるいは自分で作り出すのです。 ・他のSNSを試す： より穏やかなコミュニケーションが設計されているBlueskyやThreadsといった、類似のSNSに主な活動の場を移してみるのも一つの手です。 ・Xの中に「村」を作る（リスト機能の活用）： Xを使い続ける場合、「おすすめ」欄は見ないと決めましょう。代わりに、「リスト機能」を使い、恋人や友人、好きなイラストレーターや動物の画像を発信するアカウントなど、あなたが見ていて心地よいと感じるユーザーだけを集めた、あなた専用のタイムラインを作成します。Xを開いたら、まずそのリストを見る、というルールを作るのです。 2. 物理的な距離を作り、「見る手間」を意図的に増やす 意志の力だけでSNSを断つのは至難の業です。環境を変え、物理的にアクセスしにくくしましょう。 ・スマホの配置を変える： 毎日使うSNSアプリを、ホーム画面の一番押しやすい場所から、フォルダの奥深くや、一番最後のページに移動させましょう。通知もオフにします。この一手間が、無意識のタップを防ぎます。 ・時間と場所を限定する： スマホは最も手軽なアクセス手段です。「自宅にいる時は、スマホは充電器に挿したままにしておき、SNSはパソコンで時間を決めて見る」といったルールを作ることで、ダラダラ見を物理的に防ぎます。 ・アプリで時間を制限する： スマートフォンに標準搭載されている「スクリーンタイム」などの機能で、SNSアプリに1日の利用時間制限をかけるのも非常に効果的です。

SNSとの健全な距離感を取り戻すことは、心の平穏にとって非常に重要です。しかし、「辛い現実からの逃避」という根本的な課題が解決されない限り、また同じパターンを繰り返してしまう可能性もあります。 もし、現実の進路や課題に対するストレスが非常に大きい、あるいはSNSを見ないでいると強い不安や無気力感に襲われるといった状況が続くようであれば、それは心が助けを求めているサインかもしれません。 その際は、どうぞ一人で抱え込まず、専門家へのご相談を検討してみてください。カウンセラーや臨床心理士は、あなたが直面している現実の課題に対するストレスへの対処法を一緒に考え、健全な心のバランスを取り戻すためのお手伝いをしてくれます。現実への向き合い方が少し楽になれば、SNSに過度に依存する必要も自然と減っていきます。ご自身の心を大切にするための一歩として、専門家への相談という選択肢があることを、どうか覚えておいてください。