こう、うだるように暑い日が続くと、ひんやりと冷たい山の空気が恋しくなる。 今年の春、岩手の山奥に行った。首都圏ではもう桜は散っていたけど、岩手はまだ寒くて、ところどころまた少し残っていた。山を登っていると、周りには桜の木なんてないのにはらりと桜の花びらが落ちてきて、ふと上を見上げると白い桜の花が薄く光るように咲いていた。本当に高いところに咲いていたから気づけなかった。 桜といえば吉野山が有名だけど、歌に詠まれた平安とかの桜は山桜だから遠くから眺めて楽しんでいたってのは本当なのかな。ソメイヨシノができたのは割と最近だったっけ？でも、あれだけ高いところに咲いてたら、その下で座っておにぎりなど食べても花見に来たって感じしないから本当なのかもしれないな。 来年は山桜を見に行きたい。春の霞のように咲き煙る花を遠くから愛でたいものだ。