夕方なんか、こなくていいのに。太陽は、なにがあっても東から西に沈む。冷酷にも。前向きさと、明るさの象徴のひまわりが目障りだ。風が揺れる度に馬鹿にされている気がする。夏なんか嫌いだ。明るく、前向きな人間ほど世界で表彰されるとでもいうのか。表彰なんかされなくていい。前向きになれるはずないのに。明るくなれるはずないのに。暑さをもった明るさと前向きさの夏の風は刃として、私の心を刺し殺した。心は痛み、死に続けた。スーパーもラジオもスマホも太陽と同じで、当たり前のように芸能人を使う。まるで三浦春馬君が最初からいなかったのように。私の心は一瞬のうちに歳を取り、枯れ続けた。どんな素晴らしい物語も、言葉も春馬君を救わなかった。暑さより、憎かった。のうのうと生きている自分自身が一番憎かった。一番辛いのは春馬君なのに。一番苦しいのは春馬君なのに。暑さで滝のような涙という汗を出しているだけの太った自分が。心療内科も精神科も分かってくれなかった。薬は、正当な怒りや憎しみをも殺した。芸能界にも芸能人にも興味はない。冷たい世界だと思った。神様なんかいなかった。人生を楽しまない権利もあるはずだ。苦しみだけが生きがいだ