ナマズのように重い、得体のしれない朝が毎日当たり前のように来る。何も知らず、自分に関係ないかのように咲いている花々や木々でさえも憎しみを覚える。二度と見たくない。枯れてしまえばいい。おお、なんと紫陽花の勝ち誇った顔か!雨という涙も降らなくなった世の中はよりいっそう冷たくみえる。朝は希望などではなく、嘲笑で冷やかしにも感じられた。朝なんか来なければいいのに。いっそ飲み込まれればいいのに。一番辛いのは三浦春馬君なのに。スーパーにも行きたくない。カップル、家族連れ。春馬君にはなかった未来なのに。芸能人の笑顔の広告も見たくない。芸能界も芸能人も心を刺すだけになったから、テレビもネットも拒否した。どんな素晴らしい物語も春馬君を救ってくれなかった。どんな素晴らしい言葉も春馬君を救ってくれなかった。だから、この世界の物は何もかも見たくなかった。前向きで明るい世の中は刃だった。薬を飲んでも、心を殺されるだけだった。怒りや憎しみは殺された。心療内科も精神科の先生も冷たかった。拒否し、寝たきりになった。絶望し、心は死んだ。誰も春馬君を救わなかった。もうこの世界のものに興味はなかった。