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自分の性格
コーヒー豆_レベル._アイコン.さやそよ
1ヶ月前
自信の持ち方が分かりません、
現在、医療学生なのですが、実技試験のフィードバックで友達や先生に、もっと自信を持つべきだと返ってきました。そんなのは分かっています。でも、自分の考えが合っているのか分からないし、まだまだ練習が足りないと思ってできていない、不安だと思ってしまいます。 また、自分はできていたと思っていてもできていなかった場合、私はできたと言うのって、勘違いした恥ずかしい人と思ってしまいます。 「自信を持とう、私ならできる」と自分を信じようとしても、どこかでどうせ無理と思ってしまいます。私の不安げな感じで医療系で働いてしまうと、患者さんに余計な不安感、疑心をあたえてしまうと思います。不安や緊張の隠し方、自身の持ち方を教えてください。
ストレスコンプレックス不安
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専門家プロフィール
山路 和英 さんの専門回答
16日前
信頼される医療者になるための「振る舞い」の技術
#医療学生 #実技試験 #自信の付け方 #不安 #コンプレックス
こんにちは、さやそよさん。投稿を拝見いたしました。医療学生として、日々多くの知識や技術の習得に真摯に取り組んでいらっしゃるのですね。患者さんのことまで深く考え、ご自身の在り方に悩むのは、さやそよさんが持つ強い責任感と誠実さの表れです。
[今回の悩み]
さやそよさんは、実技試験のフィードバックで周囲から「もっと自信を持つべきだ」と言われるものの、「自分の考えが本当に合っているのか」「練習が足りないのでは」という不安から、自信が持てずにおられます。自信を持って間違えることへの羞恥心や、自己肯定感の低さに悩み、患者さんに不安を与えてしまう未来を心配されているご様子、お察しいたします。
[悩みの原因・分析]
さやそよさんが感じている「自信のなさ」は、医療という人の命に関わる分野を学ぶ上で、非常に自然で、むしろ健全な感覚だと言えます。「自分の知識は本当に正しいか?」と常に自問自答し、万が一を考える慎重さは、優れた医療者にとって不可欠な資質だからです。 先生やご友人が指摘する「自信」とは、おそらく「私は100%完璧だ」という内面的な感情のことではないでしょう。そうではなく、「患者さんや他の医療者の前に立つ者として、プロフェッショナルに見える立ち居振る舞い」を指しているのだと考えられます。ご意見にもある通り、本当の意味での内面的な自信は、これからたくさんの経験を積むことで自然と育っていくものです。今、無理に「私はできる!」と心から信じ込む必要はありません。 問題の核心は、「内面の不安」と「外面のプロとしての振る舞い」を切り離して考えられていない点にあります。この二つを分けて捉え、まずは「振る舞い」と「内なる対話」の技術を身につけることが、今のあなたにとって最も有効な処方箋となります。
[やってみましょう!]
不安や緊張を「隠す」のではなく、プロとしての「振る舞い」を身につけ、同時に心の中の不安をマネジメントする、という発想に切り替えてみましょう。これらは感情論ではなく、練習可能な「技術」です。 1. 目標を「自信を持つ」から「準備を完璧にする」に置き換える 「自信を持とう」と考えると、根拠のない不安が襲ってきます。そこで、思考を「今日の演習のために、私はできる限りの準備をしたか?」に切り替えてみてください。 ・手順は全て確認したか? ・根拠となる知識は復習したか? ・予期せぬ事態が起きた時、誰に報告・相談すべきか理解しているか? 「やるべき準備は全てやった」という事実が、根拠のある「自信」の土台となります。 2. 「信頼される医療者の振る舞い」を演じる 不安な気持ちは胸にしまったまま、外面的な行動だけを意識的に変えてみましょう。これは、役者が役を演じるのに似ています。 ・姿勢を正す: 肩を張り、背筋を伸ばすだけで、頼もしく見えます。 ・はっきりとした声で話す: 相手の目を見て、少しゆっくり、はっきり話すことを意識しましょう。 ・指差し呼称を徹底する: 「〇〇、よし!」「次は〇〇、よし!」と、一つ一つの手順を声に出して確認する行為は、見ている人に「手順通り、着実に実行している」という安心感と信頼感を与えます。 ・分からないことは「確認します」と堂々と言う: 知ったふりをせず、「確認します」と即座に言えることは、安全管理意識の高さの表れであり、非常にプロフェッショナルな対応です。 3. 「自己教示法」で不安をリアルタイムに操縦する 「どうせ無理だ」というネガティブな心の声を、自分を励ます「セルフコーチ」の声に変える技術です。実技試験の各段階で、心の中で自分に声をかけます。 【実技前:準備の言葉】 「よし、プランを確認しよう。まず〇〇をして、次に△△。練習通りやれば大丈夫。」 【実技中:実行と対処の言葉】 「落ち着いて、一つずつ。大丈夫、うまくいっている。もし手が震えても、深呼吸すればいい。焦らない、焦らない。」 「もし間違えたら? 大丈夫、そこから修正すればいい。練習でやった通り。」 【実技後:ねぎらいの言葉】 「よくやった。最後まで手順通りできた。あの場面は緊張したけど、乗り切れた。次の課題も見つかった。上出来だ。」 4. 「できたことリスト」で自信の土台を築く 実習や試験の後、つい「できなかったこと」ばかり反省してしまいがちです。それを逆にして、どんなに小さなことでも良いので「今日、手順通りにできたこと」を3つ書き出す習慣をつけてみましょう。客観的な成功体験を積み重ねることで、「どうせ無理」という思考の癖を少しずつ修正していくことができます。
さやそよさんの今の悩みや不安は、あなたがそれだけ真剣に医療と向き合い、患者さんを大切に想っているからこそ生まれるものです。その気持ちは、将来必ずあなたを、患者さんの心に寄り添える素晴らしい医療者にしてくれるでしょう。 自信とは、ある日突然湧いてくる感情ではありません。一つ一つの準備、一つの振る舞い、一つの自己対話、一つの成功体験を、丁寧に積み重ねた先に、いつの間にか出来上がっているお城のようなものです。焦らず、まずは目の前の「技術」から実践してみてください。応援しています。