以前の職場で、何をしても心無い批判をされ、じっと耐え忍ばれていたのですね。つらい日々をなんとか頑張っているにも関わらず、「辞めるんじゃないの」といった言葉をかけられ、当初は休職を希望したものの、結果的には退職を選ばれましたが、退職してもそれまでに職場で言われた言葉の数々が思い出され、苦しい毎日を送られたようです。現在、パートに応募され面接を控え、落ち着いていた嫌な思い出が再び思い出され、強い不安を感じているとのことです。

批判や否定を一夫的に受け続けると、自分自身への自信を失い、次第に「自分が悪い」「自分が間違っている」と考えるようになります。本来であれば、社会的、常識的に間違った状況であっても、「悪いのは自分」と考え、その場から離れることや逃げることができなくなり、批判や否定に苦しめられ続けます。またそういった経験は、その状況を脱しても、深い傷となり、影響を及ぼすことがあります。 しいたけるさんの場合も、以前の職場での体験が、今も心に深く残り、これからの仕事への不安や恐怖となっているようです。

今現在、しいたけるさんの感じている不安とはいったいどのような不安でしょうか？ 「また同じようなことを言われたら？」「同じような職場だったらどうしよう？」「以前のようなつらい毎日になったらどうしよう？」といった不安でしょうか。たくさんの不安の中で混乱されているように思われます。一度ご自分の不安を整理したうえで、「こうなったらやめる」とあらかじめ線引きしてお仕事を始めるのも一つの方法であると思います。 線引きでよくみられるのは、「職場に問題がある」場合と「職場と自分のミスマッチがある」場合です。 もしも職場自体に問題がある場合として、パワハラが考えられます。ここでまずはパワハラにあたる発言を挙げますね。 ①脅迫、②名誉棄損、③侮辱、④暴言、⑤私的なことへの過度な立ち入り こういった発言は、発言をする側に問題があると思ってよいでしょうし、こういった発言が許容されている職場環境もよいとは言えません。職場自体に問題がある場合には、なるべく早く離れるのが一つの方法でしょう。 次に「職場と自分自身とのミスマッチ」です。 これは、職場が求めるものと自分のやりたいことが違う、職場の風土と自分の性格などが合わないなどいろいろな場合が考えられます。職場と自分の間でうまく距離を保つという方法もありますが、体調を崩す、気分が落ち込むといった症状がみられるのであれば、やはり離れることも方法の一つです。 あらかじめ「こうなったらやめる」と決めておくことで、いつまでも不安な状況が続くなかでじっと我慢し続けることを回避することができます。

カウンセリングでは、仕事への不安を具体的に挙げて整理したり、その方にあった線引きの方法を一緒に検討することで、「自分にとっての働くマニュアル」と作成します。あらかじめその方に合う職場はどういった職場なのか、逆に合わない職場はどういった職場なのかを考えたり、実際にお仕事を始めてからもどういった出来事でどのように思ったのかをお話していただき、困ったときにはその解決方法を考えたり、自分の考え方の癖を見直したりするなかで、そのかたが前向きに仕事に取り組んでいくことができるようサポートされていただきます。 もし、しいたけるさんがカウンセリングを必要であると思われた際には、ぜひご活用していただきたいと思います。 つらい状況でも、頑張ってお仕事を続けてこられたしいたけるさんの誠実さやひたむきさは、今後のしいたけるさんにとっての強みになると思います。そういったしいたけるさんの良いところをきちんと評価してくれ、しいたけるさんが仕事を楽しんでいくことができる職場に出会えますことを、心よりお祈り申し上げます。