時間はとても綺麗で残酷なものだと歌で聞いた。
どれほど辛くても苦しくても、全てに絶望して音も色もなにもかもが消えたあの時の事すら今ではもう過去の事として頭が処理している。
あの時の私の気持ちは確かにそこにあって嘘じゃなかったはずなのに今ではもう古傷として残っているだけ、忘れっぽいこの性格が功を奏して段々何があったのかも思い出せなくなっていく。
私は初めてあの曲を聴いた日、たしかに時間は綺麗だと思った。私を癒してくれたのは時間だったからだ。時がたたなければ私の傷は未だに血が滲み涙を流し続けている。
あの日の私を救ったのは時間だったのだ。
そして今になって思う。
時間とは残酷なものだな、と。
私が死にたいと思い過ごした日々をこれまでの時間は過去として処理し今を生き続けさせてくるのだから。
なんて他責思考なんだ、と自分でも思う。
いつかこの気持ちすらも過去になる。
また今の私の全てが昔の事として処理されて、私はこれも忘れていくのだろう。
時間と言うのは本当に綺麗で、そしてなによりも残酷だった。