息苦しい。仕事終えた途端にがっくりきた。べつに、そんなに追い詰められる量じゃないはずなのに、うまく言葉が出てこない。
雨の音やらBGMをイヤホンで聴いて気をまぎらわせてるけど、なんで涙が出るのかも分からない。涙腺はとっくに老朽化している。一時的なものだから耐えれば過ぎると言い聞かせて頭空っぽにする。
頑張れないことが情けない。ただでさえ出来損ないなのに。ぐちゃぐちゃ踏みにじられるような嫌な音がする。たすけてほしいところしてほしいが混ざりあったマーブル模様の焼く前の生地。誰かに自分の存在を望んでほしいなど、欲深いことを祈る。
生まれた瞬間から恨まれ憎まれ生きてきたどうしようもねぇこの生を認められるのは自分だけなんだから、気を緩めるなと言い聞かせて、電車の座席を譲った。持病にしては根深く、性格と言うには無慈悲だ。
帰ったら布団にくるまって、主語を大きくしよう。自分と類似のグループに向けるつもりの言葉は少しだけ制御が効くから。肥大化したそいつの腹の中に僅かに残ったモノで明日に慟哭する。
吐き出し続けたら無事家に着いた。