ウイルス化は治らない
16年間徹頭徹尾僕を苦しめてきた
ブラックホールみたいに好きなものを無限に吸い込んではウイルス化させていく
それは年月を経るごとに威力を増していって、最早ワクチンを作るスピードをウイルス化の速度が凌駕している
想像してみて欲しい
自分の好きなもの、例えばアニメのキャラクター、好きな楽器、お気に入りの洋服やアクセサリー、大事にしていたもの…1つ1つウイルス化していって、どんどん範囲が狭まっていって、最後には全て呑み込まれて無くなるか、束の間のワクチンで辛うじて一つだけ復活してぬか喜びするか…
ゼロと1の間を永遠に往復する
往復する度に心が音を立てて壊れていく
その壊れていく様を誰も観察できない
敵もいなければただ一方的に悪意の塊みたいな症状に自分の好きなものを好きでいる自由を無限に剥奪される
これでもかというくらい完膚なきまでに徹底的に
これが運命や試練、神の摂理というのならば僕はそれをただ"比類なき固有の暴力"と呼ぶだろう
世界で戦争が起きそうとか、コロナ禍がどうとか、そういう世界レベルの問題が霞んで見えるくらいに切実に苦しい
シンギュラリティとかメタバースとか、未だに解明されない宇宙の謎とか、現実離れした世界、けれどももしかしたらもう少しの現実の中でしか治せない気がしてきた…